但馬国最大の前方後円墳。渡土堤と鳥形埴輪を発見!(池田古墳)
所在地 朝来市和田山町平野
調査面積 1,434㎡
調査開始日 平成20年11月17日
国土交通省近畿地方整備局豊岡河川国道事務所が行う一般国道9号沿道環境改善事業に伴う発掘調査です。昭和45年に国道9号線を整備した際に古墳を跨ぐ橋で保存されてきましたが、このたび橋をつけかえるため発掘調査が実施されました。
| 遺跡名 | 池田古墳 |
|---|---|
| 時代 | 古墳時代 |
| 遺跡の種類 | 墳墓 |
| 所在地 | 朝来市和田山町平野 |
| 調査担当者 | 調査第1班 吉識雅仁、山田清朝 |
| 現地説明会 | 3月1日(日)に実施しました。 520名の参加がありました。 説明会資料添付しています。 |
| 連絡先 | 池田古墳発掘調査事務所 ℡079-670-3686 |
| 発掘成果 | 概要 ・全長約141m、周囲に盾形の濠を巡らした但馬地方最大、県内では第4位の大型前方後円墳である。 ・築造時期は5世紀前半とされており、若水古墳(朝来市山東町)、城ノ山古墳(朝来市和田山町)に続き、茶すり山古墳(朝来市和田山町)に先行する但馬の王墓である。 ・墳丘は2段築成あるいは3段築成とも言われているが、第2段以上で大きく削平されて失われているため、現状では確定できない。 ・古墳は昭和40年の分布調査で発見され、昭和45年の国道9号バイパス工事においても古墳を橋脚(池田橋)で跨ぎ、保存が図られてきた。 ・古墳の範囲確認のための発掘調査は昭和46年以降行われており、造り出しや第1段テラスの埴輪列、第1段目の葺石等が検出されているが、墳丘規模や墳丘構造はまだ解明されていない。 6 調査結果の概要 ・今回の調査は池田橋撤去に伴う迂回路建設に伴う調査である。 ・調査範囲は池田古墳の前方部中央付近からくびれ部よりの墳丘・周濠(しゅうごう)を横断する場所にあたる。 ・調査の結果、前方部墳丘から第1段目葺石(ふきいし)、第1段目テラス、第2段目葺石が検出され、墳丘両側の周濠部では、周濠を横断する渡土堤(わたりどて)、周濠外側を区画する外堤(がいてい)が検出された。(古墳の周濠を渡る堰堤の名称については学術用語としてはまだ確立しておらず、ここでは宮内庁書陵部が使用している「渡土堤」を使用している。) [西墳丘部] ・川原石を使用した葺石が検出された。葺石斜面の中ほどには渡土堤から続く幅の狭いテラスが設けられており、渡土堤から造り出しに続く通路の可能性がある。 ・第1段目のテラスは残存していなかったが、そこから転落したと見られる円筒埴輪・朝顔形埴輪が葺石上から出土している。 [西周濠部] ・検出された渡土堤は古墳西側(鳥取側)で長さ約23m・上端の幅約6.5m、高さは濠底から約50㎝である。渡土堤の斜面には葺石が施されている。 ・西側(鳥取側)の外堤は幅2.5m以上、葺石は施されていない。 ・外堤と渡土堤の接合部では角石と円筒埴輪・朝顔形埴輪が入り混じった状態で多量に出土しており、暗渠状の遺構になる可能性もある。 ・渡土堤を横断して溝状遺構が検出されている。溝状遺構は幅約1.6m・深さ約0.6mで、溝の上部を渡土堤の葺石が通ることから、築造時の水抜きのための溝の可能性がある。 ・西周濠部から出土する埴輪は円筒埴輪と朝顔形埴輪で、今のところ形象埴輪はみられない。 [東墳丘部] ・墳丘裾部から続く第1段目葺石と第1段目テラス、第2段目葺石の基底部が検出された。 ・第1段目のテラスは濠底から約2mの高さがあり、幅は約3mである。円筒埴輪・朝顔形埴輪が隙間なく立てられた状態で出土した。 ・第2段目葺石は基底のみが残存するにすぎないが、控積みをするなど極めて丁寧な仕事をしている。 [東周濠部] ・渡土堤と外堤が検出された。西側では見られなかった鳥形・家形・盾形・蓋(きぬがさ)等の形象埴輪・器財形埴輪が出土している。 ・渡土堤は墳丘裾部から長さ約20mにわたって検出され、幅は4m以上である。外堤との接合部は後世に壊されている。堰堤の内側法面は葺石が施され、高さは内側濠底から約70㎝を測る。墳丘第1段テラスからは約1.5m、外堤からは約60㎝低く造られている。 ・外堤は盛り土によるもので、上端幅約2.5m・約高さ1.2mを測る。上面は削平を受けているものと思われ、埴輪の樹立や樹立のための掘り方は検出できなかった。 ・東周濠部の特徴として、鳥形埴輪7体が出土したことがあげられる。鳥形埴輪は墳丘裾部から渡土堤にかけての濠底や葺石上から6体がほぼ等間隔で出土し、渡土堤側の先端の1体だけはやや離れて出土している。据え付け位置の特定はできないが、こうした出土状況から墳丘斜面や渡土堤上に置かれていたものと思われる。 ・鳥形埴輪は水鳥の雁鴨形であり、ほぼ完形に復元できる状態である。このような状態での出土は極めて稀である。また1体は子鳥が付属した子持ちの鳥形埴輪であり、水鳥形の子持埴輪は初例である。鶏形を含めても子持ちの鳥形埴輪としては最古の例である。
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| アクセス |
JR和田山駅から西に徒歩16分(1.2㎞)
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