テーマ1人 わたしたちの由来

23,500年前の縄文人

この骨は、高砂市曽根町(そねちょう)日笠山(ひがさやま)貝塚(かいづか)でみつかった、約3500年前の縄文時代の人骨です。貝塚の中に掘られた穴の中に、下半身を強く折り曲げた屈葬(くっそう)という姿勢で埋葬されていました。ほぼ全身の骨が残っていますが、残念ながら顔の部分がこわれており、この人がどのような顔立ちだったかは正確にはわかりません。身長は約158cm、年齢は30才前後の男性です。縄文人としては平均的な身長で、筋肉が発達したがっしりした体型だったようです。

頭の骨をごらんください。大きくがっしりとした下顎に、よくすり減った歯が残っています。今の私たちは固い物を食べないので、顎の骨は小さく、歯も退化してしまっていますが、縄文人は固い物を日常的に食べ、相当、顎や歯を酷使していたようです。また上下の犬歯がありませんが、これは成人儀礼として歯を抜いた抜歯(ばっし)のためです。

兵庫県では縄文時代の人骨の出土は珍しく、当時の人の姿を知る上で貴重な資料となっています。