テーマ3社会 国の成り立ち

24飾る武器

金色にまぶしく輝く豪華な大刀。兵庫県北部、美方郡香美町の文堂古墳で見つかった(かぶ)(つちの)大刀(たち)という刀を復元したものです。

古墳時代の終わり頃に作られたこの刀を復元するにあたり、当時の姿をできるだけ正しく再現しようと、製作する方法にまでこだわりました。表面に輝く金色は、古墳時代に行われていた金アマルガム法と呼ばれるメッキ方法によるものです。金アマルガム法とは、水銀と金の合金を銅板に塗り、それを加熱して水銀を蒸発させ、金だけを表面に残すという方法です。それを、細いヘラ状の道具で磨き、表面を滑らかにして光沢を出しました。こうしてできあがった目の前で光る金色は、古墳時代の人々が見た当時の色をそのままです。

この大刀のように、古墳時代も終わり頃になると、本来の武器としての使い方から、装飾性を強め、見せるための豪華なものに変わってきます。王は自らの姿を飾り、武力の王から豪華な王へと変化をとげ、そして次の時代には、制度としての王が誕生することになります。