テーマ1人 わたしたちの由来

5但馬の古墳人

この骨は豊岡市出石町の坪井(つぼい)遺跡(いせき)のお墓で見つかった古墳時代の人骨です。ひとつの石の(ひつぎ)の中に男性2人と女性1人の合計3人の人が重なって埋葬されていました。3人は歯の特徴が似ているので、兄弟もしくは兄弟とその子供だと推定されています。この人はそのうちいちばん最後に埋葬された人です。

骨の残りがとてもよく、ほぼ全身の骨がそろっています。年齢は40歳前後で、男性だと推定されています。身長は推定161cmで、古墳時代の男性としては平均的な高さです。頭の骨をみてみましょう。骨からこの人の生前の顔を想像できるでしょうか?この人は頭の大きさは標準的ですが、顔の位置や目の位置が高く、ほほから口元あたりががっちりした印象の顔です。このような顔は山陰地方の古墳人によく見られます。

次に足の骨をみてみましょう。太ももの骨、大腿骨(だいたいこつ)が太くてしっかりとしています。この人は生前よく体を動かして働いていたのでしょう。またこの人は見つかった時に足首の骨がはずれていました。これは死後に足首を切り取られた可能性があります。亡くなった人が悪霊となってよみがえらないようにしたのかもしれません。