行者塚古墳(西条古墳群)

★場所
加古川市山手2
(小さい駐車場「北山公園駐車場」が西条廃寺の東側にあります)

★時代
古墳時代中期初頭(4世紀末)

★遺跡の種類
古墳(国指定史跡)
(中心の埋葬施設は3基の並列する粘土槨)
(調査後に埋め戻されて見られません)

★遺跡の概要
鍵穴形の周濠をもつ前方後円墳で、前方部がやや短く、造出が左右くびれ部の2基と後円部の周りの2基の計4基あります。
墳丘長は99m、後円部径88m。

発掘調査によって墳頂部から並列する3基の粘土槨と、その上に置かれていた副葬品箱が見つかりました。

副葬品箱の中からは、中国の晋式の帯金具、初期段階の馬具の轡、鉄素材の鉄鋌(てってい)など、当時の貴重品が納められていました。

中央副葬品箱 
帯金具<金銅製能文透彫帯先金具1、同 餃具1、金銅製銙(か)3>
巴形銅器4
円環形青銅製品1
筒状青銅製品10以上
馬具<円形鏡板付轡1、長方形鏡板付轡1、鑣轡(ひょうぐつわ)1、餃具1>
農工具<鎌15、穂摘具85、斧7、鋳造鉄斧3、鑿7、錐15、ヤリガンナ12、刀子5、鋸1>
鉄床1
鍑4
石突状鉄製品4
円環形鉄製品
素環頭状鉄製品
不明鉄製金具

西副葬品箱
鉄鋌40
武器<刀6、剣8、矛1、鉄鏃9>
頬当状鉄製品2
棒状鉄製品2
農工具<鍬・鋤先6>

また、造出の一つが復原されていて、埴輪や土製模造品が置かれていた状況をうかがうことができます。

出土品は、加古川市総合文化センター博物館(加古川市平岡町新在家1224-7)で展示されています。

当館では、常設展のテーマ展示室「交流」に、帯金具と馬具の復元品を展示しています。

【参考文献】加古川市教育委員会,1997年『行者塚古墳発掘調査概報』