24.棺の底に礫を敷いた埋葬施設(礫敷・礫床)

古墳に安置された棺の底の部分に礫を敷いた例があり、礫敷とか礫床と呼ばれている。

こうした事例は古墳時代前期から中期において、九州北部から北近畿といった西日本の日本海沿岸を中心に分布しているが、各地で点的に集中して分布するものの面的な広がりをもっていない。

 

また、古墳の墳形や規模、棺の材質や形態・規模、副葬品の質や多少、埋葬時期、被葬者の性別など、多岐にわたって認められることから、地域の主体性、自立性の存在し、いろんな階層にわたって行われた習俗で、地域間交流や流通を表していると考えられている。

 

兵庫県では、但馬地域を中心に分布しているが、日本海沿岸というよりは南但馬に多い。また、向山2号墳(朝来市和田山町)の例は比較的古い事例として知られている。

 

今後は、地域ごとにこうした埋葬施設に付随する要素(時期や規模、種類など)によって整理し、礫を敷かない棺との関係を見極めるなど、より細かな様相を解き明かさなければならない。

 

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