29.コンパス文須恵器

 

コンパス文とは、コンパスのようにして点を中心に円を描き、それを半円ずつ繰り返すことで波状の紋様を横方向に展開した文様のことである。

 

主に中心点と2本の同心円からなっており、手描きではなく、かつコンパス状の道具を丁寧に展開して施文された例は全国的に見ても7例しか確認されていない。

その中で、中~西播磨地域からは3例が見つかっており、地域的なまとまりがうかがえる。

このコンパス文は、いずれも初期須恵器の器台に認められており、朝鮮半島の同時期に見られる陶質土器のコンパス文との関連が考えられるが、まったく同じものはないため、詳細は明らかでない。

 

<参考文献>
・兵庫県立考古博物館 2009 『竹万宮ノ前遺跡』兵庫県文化財調査報告357

 

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